キーセット交換

Jet2004-03-02

ああハイテク
HISSを含むCBRのキーセット交換だが、ネットで「ひょっとしたら20万」など聞いて首を括る縄をなっていたところへ、ショップから部品入荷の連絡があった。
実は見積の時点で判明していたのだが、HISSのレシーバー(メインキーシリンダーの周りにあるユニット)とCPU内部にあるHISSプログラム本体とは関係なく、キーシリンダー関係のみ新調することができたのだ。その後、HISSのプログラムには新しいキーセットの信号を認識させることになる。
こうしてシリンダー関係を新しくするだけですでに盗まれた古いキーは差し込めないことになるが、前のキーのHISSチップだけはまだ生きていることになり、万全とは言えない。
ところがHISSプログラムには鍵を認識する“スロットが”4つあり、このうちの1つを新しいキーのチップに適合させるようにフォーマットし直し、さらに残りの3つを“閉じて”しまうことができるらしいのだ(うろ覚えだけど)。これにより、古いHISSチップを持っていたとしても、もはや僕のCBRとは何の関係もないただのシリコンのゴミとなる。これで枕を高くして眠れる…というのは大げさだが、スッキリしたのは事実だ。
で、気になるお値段ですが、パーツ代20,600円、指定作業時間が2Hなので工賃が16,000円、しめて税込38,430円也、だ*1。20万はともかく、ネットで見た「8万円」というのはリアルな数字に思えたので恐れていたのだが、その半額以下で済んだのは幸いというべきか。
それでもひどく痛い出費には変わらない。それだけあればスクリーンとフェンダーレスキットを入れることができたし、ちょっと足せばバックステップだって買えたのだ──そう思うと、キーを持っていったヤツは粒子加速器でぶつけてクォークにまで分解してやりたい気分だ。とはいえ、二度と繰り返さないよう自分を戒めるばかりである。
ちなみに、HISSのレシーバーユニットなどのパーツ代は8万円強。プログラム含めて全て交換するようなことになれば(元のキーが一つもない、など)、12万円以上の大出費になるのは確かである。


たまには原付も悪くない
この時、ショップから代車として(数時間だけれど)クレア・スクーピーを借りることができた。点検などで預ける際には何度かジョルノやスクーピーを貸してもらっているのだが、相変わらずたまに乗るとムラムラと原付が欲しくなる。
気を使わず、さっと乗れて、のんびり走れる。しかもヘルメットや小物まで入る。移動手段としてはクルマもバイクも持っているクセに、こういうのがあるとなんだか行動範囲が広がったような気がするから不思議である。こうして「気軽に乗れる」というのはさきにも書いた「エモーショナル・ファンクション」なんだろうなあ、と思いながらつい用もないのにあちこち乗り回してしまう(ショップの人すいません)。非力だからと敬遠していた水冷4ストも、この日は何だか気分に合っていて心地よかった。
と、キーの交換が終わってショップに戻った僕の目に、以前から目をつけていたFI版Smart Dio Z4がいよいよ入荷しているのが目に留まった。僕がこのマシン(?)を気にしているのを知っている店長が、さっそく解説してくれる。
Smart Dio Z4
http://www.honda.co.jp/motor-lineup/dio-z4/
白と黒しかない地味なカラー設定に加え、大きく張り出したリアスポイラーにいい大人としては思わずヒいてしまうが、2ストに追いついたというパワーとFIならではの信頼性、ディスクブレーキなどのしっかりした装備には心魅かれてしまう。
まだナンバーを取っていないとのことで10メートルにも満たないショップの敷地内を試乗させてもらうが、直前に乗っていたスクーピーとは明らかに違う。これまでの4ストが前から「よいしょ」っと引っ張ってもらう感じだったとすれば、Z4 FIは後ろから押されている感じで、ダイレクト感がある。
それにしても、これでZ4は乗り出し20万円を超えるかなりの“高級”原付になってしまった。2スト原付が絶滅寸前の今、性能重視の4ストということで高校生とかが飛びついてもおかしくはないのだが、この価格と面白みのないカラー設定では食指も動きにくいだろう。一体誰がターゲットなのかと少し悩んでしまうが、とにもかくにも「FI搭載」というひとつの実験機種なのかもしれない*2

奴らの足音がきこえる
帰り際、気づくと店の中からCBR954RRがキレイに消えていた。「最後の一台がやっと売れました」と店長。聞けばCBR1000RRの国内発表は3月下旬、デリバリーは4月頭くらいから。安定したタマ数は、600RR発売当時の狂騒が嘘のようだ。しかし、今回は逆車の方がデリバリーが後になるというにも関わらず、現在入っている予約はすべて海外仕様なのだとか。やはり“172ps”の魅力なのだろうか。
店内を埋めるトリコロールカラー(!)を想像しながら、早く1000RRが発売になって欲しいものだ、と思う。そうすると、600RRの存在はさらに意味あるものになるのだから(峠で1000を抜ければ、ネ。頑張れ>自分)

*1:僕はホンダに世話になるまでこの作業時間システムを見たことがなく、とても便利だと思っている。パーツやオプション部品にはすべてメーカーによって最初から取付作業時間が指定されており、それにしたがって機械的に工賃が決まるのだ。早くすんだとしても安くならない変わり、何かしら手間取ったりしてもそれ以上工賃はかからない。透明で気持ちの良いやり方だ

*2:ショップの人に聞いたら、今時の高校生はキーシャッターが電動じゃないと嫌とかで、ヤマハの方に人気があるんだそうだ。嗚呼、走りを求める若き血潮はどこへ?(まあJOG ZR買えばいいのか)