“おもちゃ”熱

Jet2004-03-05

見つけたぞ!
少し前の話になるが、ついにマテル社から発売している1/18バットモービルを手に入れた。昨年の暮れにSunstarのデロリアンを買った時にその存在を知って以来感涙にむせびながら探し求めていたのだが、一瞬で売り切れてしまったらしくどこも品切れ、入荷未定。
そこで「♪パソコンを〜立ち上げよう〜、♪いんたーねっとで見てみよう〜←(C)スタンリー」ということで暗がりの中モニタに青白く照らされながら探すこと小一時間、ついに並行輸入している店を発見、すかさずポチッとな。先月に入荷の連絡が来て、いそいそと買いに出かけた次第である。
入手した店は、新宿の「ホビット」というソレ系の店http://www.tokyohobbit.co.jp/小滝橋通り沿いにあり、そんなところにそんな店があるとは知らなかった僕は、半分脅えながら雑居ビルの狭い階段を上った。ところが入ってみると恐れていたような半裸の女性キャラ人形が並んでいるような店ではなく(そっちはどちらかというと隅に追いやられていた)、アメコミや怪獣系のグッズが所狭しと並んだお店。5〜6年前アリイから発売していたオハイオ級ミサイル原子力潜水艦アラバマ」のプラモデル*1が再販していないかなどと秘めた期待をにじませつつ一通り店内を物色した後、予約を告げバットモービルを手にして店を出る。


一作目至上主義?
このモデルの詳細はネットなどで見て知っていたが、改めて見るとやはり1/18の大スケールは素晴らしい迫力。ディーティールの細かさに、かつてのアオシマのプラモデルで我慢しなくてよかったとしみじみ思う(まあ作る自信がなかったんだけど)
運転席のハッチは当然開閉し、タービンエンジンはスライドして前方に引き出すことができる。さらにフロントフェンダー上のハッチがぱたりと回転してマシンガンまで出現し、もう興奮の極みだ。あとは一作目の劇中でホイールのハブからリリースされる球形の爆弾まで再現されていると最高だったのだが、あれをやると完全防御装甲のコクーン状態も再現しなければ片手落ちで、さすがに不可能だ*2。ただ本体の塗装がしっかりしているもののマット仕上げに近いものなので、ここは映画に出てくるようなツヤツヤヌルヌル感を出して欲しかったところだ。でも、5000円程度でこの出来の良さを思えば過ぎた要求かもしれない。
やはり『バットマン・シリーズ』四作のうち、この一作目仕様が一番カッコいい。デロリアンの時のように、しばし子供に返ったような気分で映画のワンシーンを思い返す。遠隔操作で呼ばれて自走してきたこのモービルに、バットマン「ストップ!」と指令すると彼の足先数センチのところでぴたりと止まるシーンは最高だ。
考えてみると僕の好きなバージョンは何でも一作目だ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はもちろんのこと、『ロボコップ』だってポール・バーホーベンの“暗さ”が炸裂した一作目が一番だし、『ターミネーター』も一作目が最もバランスがとれている。ガンダムだって僕はファースト原理主義者で、カッコ良さにおいてRX-78-02を凌ぐものはない*3。例外はキャラクターが驚くほど豊かになり、脚本もシンプルかつ強力だった『リーサル・ウェポン2〜炎の約束』くらいだが、まあ何でも一作目のインパクトにかなうものはない、ということなのかもしれない。

抑圧された欲しいものリスト
普段はそんなものと無縁の生活をしているくせに、相変わらず一旦この手のフィギュアとかミニチュアに魅かれ出すと止まらない。
僕の基準はまずサイズが大きいもの。ちみちみしたものではなく、子供の頃の「ジャンボマシンダー」とか“大きくてすごいおもちゃ”への憧れを補完してくれるようなものだ。そして“決定打”的なもの、自分にとってそれだけあればいいもの、といった存在だ。戦隊もののキャラクター全員を揃えるよりは好きなレッドだけ、みたいな感覚である(例外はあるけど)。だから、同じキャラのバージョン違いを集めたりするようなことはない。あとは「知る人ぞ知る」みたいなちょっとしたヒネりがきいていれば乙である。
家の中を見回せば、30cm以上あるロボコップ(装甲を外すとピーター・ウェラーそっくり!)、「アメリカ人は作るに違いない」と勝手に仮定して探し始め、苦労して見つけたターボマン人形(『ジングル・オール・ザ・ウェイ』)富士急ハイランドの「GUNDAM THE RIDE」に乗ったせいで火がついて買ったパーフェクトグレードの初代ガンダム、天井につるしてくるくる飛ぶアニメ版の四角い顔のバットマン。そして前述のデロリアンと今回のバットモービル。あとは、置き場所がないのと、接触不良で夜中に突然必殺技を叫ぶので怖くてしまい込んであるメディコムトイ光武(『サクラ大戦』)、しかも特典の大神機含め全機種…。ホントにまともな大人なのか。
──ああ盛り上がってきた。欲しいものならまだあるぞ。
とりあえず、ターミネーターはなにか一つ欲しい。海外の輸入物には目を光らせているが、今一つ納得のいく物がない。クオリティ的には最近出た「新世紀合金」とやらのエンドスケルトンT-800http://www.mokei-no-hoyo.com/robot/plist/mit800n.htmlがあるが、全身金属製でシリンダーが稼働するものの、16,800円と「トイ」の域を出ている価格でおいそれとは手が出ない。
それに、エヴァンゲリオンにもどこかで決着をつけなければならない(!)。かつて映画版アスカのぶち切れぶりに感動した妻が買った海洋堂のアクションフィギュア弐号機は、ジョン・ホプキンスよろしく足首を折って引退してしまった。サイズ的好みからいえばパーフェクトグレードに手を出したいが、関節の稼働機構やパーツの顔料などが前時代的だ。「超合金魂」シリーズでも出ているが、零〜弐号機までがセットになった「DX」版でも出たらつい買ってしまうかもしれない。セットといえば、光武だってもう二度と全隊員分なんて買わないと思ったが、同じシリーズで光武Fが出たら購入に走るだろう。
まだまだある。巨摩郡仕様のNSRのラジコンhttp://www.taiyo-toy.co.jp/html_new/baribari_01.htmlだって欲しいし、1/60の巨大な“グフ”http://www.bandai-next.com/hy2m_gouf.htmlなんてのも気になる。大きさでいえば、劇中サイズのしゃべるバズ・ライトイヤー(『トイ・ストーリー』)のフィギュアも買うきっかけをうかがっている。これでバイクのミニチュアも並べ出したらきりがないし…どうなっているんだろう。
“おもちゃ”ってキーワードから離れて20数年、実はそういう欲がずっとくすぶっていて、自分の中の「大人」がそれを押しとどめているだけだったりして。誰にでもこういう欲求って眠ってるんだろうか。

*1:ジーン・ハックマン主演の映画『クリムゾン・タイド』(1995)の舞台となった原潜。ただでさえ原潜のプラモデルなんて貴重なのに、映画のタイアップで全長30cm近いスケールでアリイがモデル化した時は驚いた。大の原潜好きである僕としては即買いすべきだったが、攻撃型原潜でなく鈍重なミサイル原潜であることを理由に買い控えてしまい、今に至るまで深く後悔している

*2:同じマテルから出ているもっと小さい1/64版にはコクーン状態のモービルが付属していて、なかなか芸が細かい

*3:これについて書くと長くなったりするが、基本的にカッコ良さは静的なデザインではなく動いている時、つまりは使われ方にあると思う。圧倒的に強く、その強い理由がストーリーにしっかり裏付けされていたファーストガンダムは、その後の大砲をつけたりごてごて装備したりして“絵的に”強く見せるガンダムとはカッコ良さの次元が違うのだ。つーかいい年してモビルスーツを語るとアラが出るのでこの辺にしておこう