Deeds, Not Words.

もう今日は何も書くべきことはない。ただ膝をつき、じっと手の指の爪でも眺めて過ごそう。僕たちはまたあの同じ一年を過ごすのだ。ロッシ、ロッシ、ロッシ。「あいんべりべりはっぴとぅうぃんだれいす、あんだ…」もう聞こえはしないか、あのイタリア訛りが──。
MotoGPカタルーニャ公式テストQP1・BMWアワーズ結果
http://motograndprix.tiscali.com/ja/motogp/results/results_2685.htm?event_id=2685&subevent_id=4784&result=28296
中団に飲み込まれ、傍目にもわかるむきだしの闘争心をまき散らしながら、自身がマシン開発を先行させた数ヶ月の間に大きな成長を遂げてしまったライバル達に噛みつこうと、RC211VとD16GP4の尻に襲いかかるヴァレンティーノ・ロッシとそれを押さえ込むべく信じがたいブレーキング競争を繰り広げるホンダ、ドゥカティ勢──というスペクタクロは、すべて開幕前にして夢想と化してしまった。彼はまた、さらりとこういうことをやってのけるに違いないのだ……。


不覚にしてLive Timingを見逃してしまったが、17/17という周回をみる限りロッシはまた最後の一発でタイムを出したに違いない。ただアレックス・バロスが0.06秒差で二番手につけているというのは、彼の復調が順調なことを伺わせてホッとする材料だ。
今テストでは異常に調子の良いケニー・ロバーツJr.は、何かが降りてきたのか、'04GSV-Rが本当にいい出来なのか、それとも結局「雨のスズキ」だからなのか(まあFP4/QP1はドライコンディションだったらしいけど)。またタイムだけではおぼろげな推測しかできないが、おそらくレインタイヤをテストしていたのではないかと思われる伊藤真一がウェット・コンディションのFP1〜FP3を通じて好成績だったので、今期用のブリジストンのレインやインターミディエイトの完成度はひどく高いのではないか、と期待してみる。
それにしてもデスモセディチのトップスピードはついに347.4キロ、しかしバロスもほぼ同程度の347.2キロを出しているので、2メーカーのパワー競争も見どころの一つだ。パワーといえば'03シーズンは頭一つ下がっていたプロトンKR・MX2が330キロ近いトップスピードを出してきているので、こちらの完成度もそれなりに期待できる。
とにかく、まだ31日からのヘレス・テストが待ちかまえている。このロッシのBMWアワード制覇は「他のライダー達に精神的ダメージを与えた」と公式の記事には書いてあったが、見てるファンだって深いダメージを受けたぞ。この心の中に空いた虚無の空洞を見よ。こんな気分になったのはFF7をやっていてエアリスが死んでしまったとき以来だ(アホか)
盛り上げてくれ、ロッシ以外のライダー達よ!頼むよ。

そして例のヤマハのあの人にはこの言葉を贈ろう。
O, let no words, but deeds, revenge this treason !

ええい、ことばではなく行為で復讐してくれるぞ
ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー六世』
彼が負のスパイラルに陥らないことを祈るばかりである。