外見重視でもイイ?

Jet2004-01-16

本格的な寒波が到来し、乗るのも整備するのもままならなくなってくると、バイクに対する気遣いが表現できず、マシンに申し訳ないような気持ちになってくる。そんな最中、『RIDERS CLUB』誌2月号には「一生乗れるバイク探し」として一台に愛情を注ぎ続ける数人のオーナーが紹介されていた。
その中の一人にドゥカティ748Sに乗るオーナーがいたが、その人の前車である10年乗ったNSR250Rが「磨きグセ」のあまりカウルのペイントが薄くなってしまっている様子が紹介されていた。
記事を読む限り、その人はテクニックも経験もある人のようで、単なる盆栽先生ではない。愛車を長年大切にし、きちんと乗りこなした上で、外装もピカピカに保つ。僕はこの記事を読んで、いたく感心してしまったのだ。
僕はこれまで“乗りこなしてやる”ことがバイクへの一番の愛情表現で、“外装をキレイに保つ”のは二の次三の次のように感じていた。街で、カウルはちょっと小汚いがチェーンがピンと張りきちんと注油されていて、タイヤもきれいに使い込まれたGSX-R750やNSR250Rなどの古いレプリカを見ると、「自分もいつかあんな風になるまで600RRを…」と思っていたものだ。
しかし、テクがある上にペイントが薄れるまで磨くオーナーというのは、ある意味その上を行くカッコよさだ。なんだか外装磨きに対する自分の中の罪悪感が取れて、僕は久しぶりに時間をかけてCBRのカウルだけをせっせと磨いてみた。水を使わずに「汚れとりつや之助」を使うので寒い中でも辛くはない。いつものように水気が垂れてきたりしないのでじっくり掛けることができ、磨いたり小キズを取ったりした効果が見た目に良くわかる。やってみると、これもまた悪くないバイクとの過ごし方だった。


終わってから「見た目」を重視して600RRの姿形を眺めていると、急にいじりたい部分がクローズアップされてくる。フロントスクリーンの縁に一体化されたモールがいかにも重ったるいイメージで、以前から気に入らない。GS1200ssはモールが後かぶせだったので剥がしてしまえばよかったが(車検通らないけど)、ここはスクリーンごと交換だ。GPマシンのようなシャープで薄いものの方がカッコいい。
切れ上がったシートカウルから下に長く延びるリアフェンダーも、よく見ればせっかくのRCVシェイプとセンターアップマフラーの軽快さを台無しにしている。後続車の迷惑を考えればあった方が良識的だが、ここをフェンダーレスキットに交換して、ついでにスイングアーム上部のショートフェンダードゥカティのデスモセディチのようにぴったりとリアタイヤにかぶさるカーボン製に変えたら、素晴らしい外見が手に入る。
さらに、ブレーキレバーをアルミむきだしのシルバーではなく、ワークスマシンのようなブラック塗装のものに変えたい。少し細身で、極端なドッグレッグスタイルがいい。そう、ブレンボのラジアルマスターに付いているもののような…。
もともとワークスマシンっぽい尖ったイメージが欲しいので、性能部品ではあるが見た目を先に求めてバックステップに交換してもいいかもしれない。触ると手が切れそうな細かいローレットが切られたアルミ削り出しで…。
…と考えていくと結局「カッコいいGPマシンみたいにしよう!」となっていく発想が子供っぽい(笑)。しかし、外見的に気になる部分を好きなスタイルに交換していくというのは、自分が思っているほど悪いことじゃないかもしれない。気に入ったファッションを身につけると気分が良いのと同じようなものだろう。
奇しくも、マジカルレーシングからやっとCBR600RR用のスクリーンが発売された。カーボントリムタイプで、最新のGPマシンのフロントカウルのシェイプっぽくスクリーンを小さくみせるものだ。
http://www.magicalracing.co.jp/Products/screen_with_cfrp_j.html
さらにこれも待望、600RR用のフェンダーレスキットがSPICEから発売になっている。
…う〜ん、これはまずい。気がつくと思わずPCで口座の残高を確認している自分がいるのであった。