遅れてきたライダー
ようやくアレックス・バロスのレプソル・ホンダ入りが確定した。いぶし銀の巧者バロスと、じゃじゃ馬ライディングのルーキー、ニッキー・ヘイデンという組合せは実に漫画的というか、キャラの立った見ごたえ十分な取り合わせだ。これでうんともすんとも噂の出てこないWCMを除けば、すべてのエントラントで事実上ライダーが決定したことになる。
こうして確定後に振り返ると、ヴァレンティーノ・ロッシのヤマハ移籍というのはあまりに大きすぎるネタの上に既成事実化されながら進んでいったため、発表された時は「やっとか」という気持ちの方が大きく、驚きというより(レプソルに残留されることを危惧していたための)安堵感の方が大きかった。映画館の席を少しでも先に取ろうとラスト付近で中に入ってしまい、登場人物が全滅する結末を見てしまった*1、ようなもので、クライマックスが先にきて残りの部分はすべて余興のようだった感がある。事実、12月の半ばでレプソルの1席を除いてほぼすべてのシートが決まってしまったのだから、あっけなかった。
材料が揃ったので、そろそろ色々なサイトや掲示板でエントリーリストの整理が行われている頃と思うが、僕も自分のメモを兼ねてコメント付で整理してみよう。
- レプソル・ホンダ
- アレックス・バロス/ニッキー・ヘイデン
(出てった人にも優しくなったホンダ!ヘイデンの成長が楽しみ) - キャメル・ホンダ・ポンス
- マックス・ビアッジ
(孤独な帝王、結局エースはもらえず。今年は全員均等なマシンらしいからいいよね) - プラマック・ホンダ
- 玉田誠
(日本人一番株だけど、チームが寂しい。キャメルとの和合も噂されるが…) - テレフォニカ・モビスター・ホンダ・グレシーニ
- セテ・ジベルナウ/コーリン・エドワーズ
(戻ってきた人にもやさしいホンダその2。昔からは信じられない) - ゴロワーズ・ヤマハ(ゴロワーズ・フォルチュナ・ヤマハ 1/20改訂)
- ヴァレンティーノ・ロッシ/カルロス・チェカ
(一番の注目チーム。エースの座を取られたチェカ様のプライドは保たれるのか?) - フォルチュナ・ヤマハ・テック3(フォルチュナ・ゴロワーズ・テック3 1/20改訂)
- 阿部典史/マルコ・メランドリ
(ノリック、有言実行なるか。でもメランドリ、本当は仲良しのロッシと同じがよかっただろうな…) - マルボロ・ドゥカティ
- ロリス・カピロッシ/トロイ・ベイリス
(今年も台風の目。『我々は改善すべき内容のすべてのリストを手にしている』と自信満々) - ドゥカティ・ダンティーン
- ニール・ホジソン/ルーベン・ザウス
(WSB出身の二人、何戦で存在感を示せるか。ところでザウスの正式な読みは?) - スズキ・グランプリ・チーム
- ケニー・ロバーツ・Jr/ジョン・ホプキンス
(…今年はグリッド紹介でちゃんと目線下さい、Jr) - カワサキ・レーシング・チーム
- 中野真矢/アレックス・ホフマン
(誰もが驚嘆した賭け。中野のライダーとしての運気は上向くのか、それとも…。BSタイヤが今のところ好材料) - プロトン・チームKR
- 青木宣篤/カーティス・ロバーツ
(“七光り”感の漂うカーティス。過去2年の無念を晴らせるか*2) - アプリリア・レーシング
- ジェレミー・マクウィリアムス/シェーン・バーン
(RS3に乗った途端マックおじさんの顔が失望に変わらなければいいが…) - ハリス・WCM
- TBA/TBA
(誰かお金だしてやれってば) - モリワキ・レーシングチーム
- TBA(年間5戦参戦予定)
(だから誰かお金だせってば)
こう見ると、ホンダ・ヤマハ以外は初参戦組も多い。そこからして、少なくとも前半は今年もRCVカップにドゥカティがどこまで食い込めるか…という構図なのだろうか。ロッシがいない現在、RCVを手にするライダーは誰が勝っても不思議ではなく、6人のホンダ勢がお互いに潰し合い、その隙に実はロッシが着々とポイントを稼ぐ、なんて様子もあながちないとはいえない。
とはいえ、なによりまだシーズン開始までは遠い。ライダーに加え、各社の04仕様がどこまで戦闘力を増してくるのかが大きな判断材料になるだろう。番狂わせである限り、誰が勝っても面白いのも確かだ。明日から一斉に始まる各社のテストに注目して、あとは、シーズン前の転倒・故障だけはないように願うばかりである。