チャンピオンのバイク

Jet2004-09-14

逡巡すること15分、僕はなんとか未練を断ち切って書店から戻ってきた。今日は、多くのライダー諸氏をもじもじさせるあの微妙なシリーズ、 第2号の発売日だったからだ。
ご他聞に漏れず僕も初号は買ってみた。写真はその#46・2002年前期型RC211Vロッシ車だ。
モデルそのものはIXOということもあり、驚くほどの出来というわけではない。むしろパッと見は、そのサイズをさておいてもかなりがっかりする部分も多い(なんだよこれ18インチかよって前後輪とか、もっさりしたブレーキキャリパーとか)。
しかし不思議なことに、取りだして触ってみたりちょっと距離を置いて眺めてみると、ダイキャストモデル独特の「見た目の質量感」というべきものがしっかりあって、これはこれでけっこう悪くないかも、と思えてしまう。メーターパネルのシールがきちんと中央にアナログのタコを配したRCV独特のものになっていたりするので驚く部分もある。
付録(!)のテキストの方もそれなりによくできていて、これを全部集めたらきちんとした「WGP大図鑑」ができあがるかもしれない、と思うとちょっとそそられる。特にサーキット解説では、普段あまりまとまった情報を目にすることのない「各コーナーの通称」が載っていたりして、実は僕はこれだけでかなり収集意欲を刺激されてしまった。


しかしながら、毎号集めるとなると話は別なのだ。予告されている通巻の60号はまさか行かないだろうとはいえ、仮にそれを全部集めると総コストは106,500円(初号の890円含む)!これが高いか安いかは個人の価値観だが、同じ金額を本物のバイクに回したら頭を悩ませている禁断の物欲がいくつか解決してしまうのは確かだ。
まあ本来コレクションものにこういう考え方は反則だ。それより気に入った号だけ買ったり、しばらく続けて飽きたら辞める、と自然体で楽しむのがいいのかもしれない。でもデアゴスティーニは数号書店売りするとあとは通販オンリーになるし、バックナンバーも買えないのでそうもいかないのが実情。そこで、いざ買いだしたら全部揃えないと気が済まないだろう僕は、この第2号が運命の分かれ目だったのだ──。
月に3600円。買うか、買わざるか。中の上くらいの日本酒一升買って上機嫌で過ごすか、バイクのミニチュア2台を眺めて悦に入るか(笑)──*1
やっぱり本物のバイクの方が面白い。そっちにコストをかけたほうがいい(最近原油高で辛いしね)。そんな内なる声を聞きながら、今号の「コース解説:鈴鹿サーキット」で200Rの新シケインがコース図に載っていないのを見て、僕はすっぱり箱を閉じて書店を出たのだった。

*1:カップ麺とプラモデルをくらべたのび太みたいだ