原付を探す。

生まれて初めて、50ccのスクーターを探している。仮にも東京都だと言うのに、平均して15分に一本しかない私鉄で最寄りのJRの駅まで出るのに疲れ果てたためだ。ローカル線ならではの早い終電も心配せず帰れる。バンド練習にも駐車場代を気にせず行ける。
とはいえ、選ぶとなると一大事だ。時代から言えば環境に優しい4ストがいいが、故あってHondaの4ストスクーターを何台か試乗したところ、「みぃ〜ん」という情けない音とゆるゆるとした加速。もちろん足としては十分だが、昔さんざんバンザイウィリー*1を繰り返した身にはなんとも物足りない。原付とはいえやはり加速や運動性は捨てられない!…と思うと、未だに規制前の馬力を保持し続ける男気溢れたスズキのZZ(ジーツー)や、原付小僧御用達のヤマハJOG ZRなどが浮かぶ。
とくにZZは2001年の梁明の全日本チャンプ獲得を記念して作られたワークスカラー仕様http://www1.suzuki.co.jp/motor/ZZ_sp/index.htmlや、02年までWGPにおけるスズキのメインスポンサーだったテレフォニカ・モビスターカラー仕様http://www1.suzuki.co.jp/motor/zz_mvs/index.htmlなど、バカバカしさと紙一重でライダー心をくすぐるマシンがまだ探せば残っている状況だ。バカバカしさでいえば、JOG ZRもYZF-R1と同じグリップを装備するなど高校生的バリバリ魂をくすぐるのを忘れてはいない。
とはいえ、これらのトップクラス(?)原付は軒並み20万近い価格。2ストという負い目と高い出費を背負ってまで小僧仕様を買う必要があるのか?と自分を責める。振り返れば、これらのマシンの仕様は要らないものばかりだ。極太タイヤ?油圧フロントフォーク?液晶燃料計?「原付の装備一つ一つを『これは本当に必要なのか』と自問していったらほとんどいらなくなった」というレッツII開発時のオサムちゃん*2の言葉を思い出す。
全部余計なものじゃないか。
でもはやりの低コスト原付はイヤなんだ。Todayもチョイノリもイヤなんだ。なんでだ。考えてみたら2スト4スト問わず欲しいのがないだけじゃないのか。
…結論が出た。どれも「カッコ悪い」のである。特徴がなく、パッとしないデザイン。原付とはいえ10万がとこする機械にそぐわない、所有欲を満たさない塗装。コストダウンみえみえの外装。それを値段とカラーバリエーションでごまかしているだけなのだ。もっと小僧っぽくなく、ある程度元気なパワーユニットを備え、かつたまには洗う気になるくらいの質感をもったデザインの原付はないのか。
答えは自宅の階下にあった。ウチのマンションの一階は、その層にはちょっと有名なシングル系を多く扱うヤマハ系カスタムショップ。そこに並んでいたのは、中古と見まがう値段のヤマハの新型2スト低価格原付。BJというらしい。http://www.yamaha-motor.jp/mc/bj/index.html
さすがヤマハさん、流れるようなデザイン、特徴のあるフロントマスク。これで値引いて10万弱は、かなり魅かれる。あとは、来春登場予定の我がホンダさんの史上初のFI搭載原付「Dio Z4 FI」が気にかかる今日この頃なのだが…。
結論は…しばらくしたら出るかもしれない。

*1:スロットルを不用意にひねったためバイクだけが体を置いて先に行ってしまい、そのまま引きずられるという2ストスクーター初心者の情けない姿

*2:現スズキ自動車社長鈴木修氏。このコストダウンがチョイノリの開発につながる。