今年最後の箱根と思いきや

迫り来るシーズン終了、箱根はこれが最後と思って焦りながら朝5時出発。去年の同時期、SBSストリームhttp://home3.highway.ne.jp/stream/とのツーリングで中央道河口湖付近で気温2度という恐ろしい体験をしたので、完全な冬装備で出かける。実際には気温は20度以上、伊豆スカイラインや河口湖付近でも15度を下回ることはなかったので、結果として暑いことこの上なかったのだが。
とはいえやはり土曜日出発は辛い。前日仕事を終え、睡眠時間は結局4時間程度。まだカラダが堅いせいか、それとも血迷って高速を使わないと決めて道志みち経由で御殿場を目指したせいか、箱根スカイラインに進入した時にはぐったり。しかも道志みちは休日の早朝からダンプがうろうろし、抜きどころがなく30Km巡航になることもしばしば。やはり行きの高速は必須だ。
ハーフウェット+落ち葉+霧の箱根スカイラインで完全に消耗し、芦ノ湖スカイラインではもう先月免許を取ったのかと思うくらいなヘロヘロ運転。こういう時のサインははっきりしている。首が上がらないのだ。腰をずらしても体が馴染まず、視界が悪いように感じていつの間にか背筋が伸びてアゴが出る。いきおい曲がれない、固まる、の悪循環だ。たまらず山伏峠のレストハウスにバイクを停め、太陽がぽかぽかと暖かいのをいいことに芝生で爆睡。時刻は9時になろうとしていた。
小一時間ほどして起き上がり、少し軽くなった体で伊豆スカを目指す。途中観念し、三国峠でリアの伸び側減衰を最弱に調整。マシンの挙動は恐ろしく軽くなっているはずなのに今一つピンと来ないのは、やはり体調が悪いのか。
しかし亀石にさしかかった時「あれ?俺もうここまできちゃったの?」と意外な気持ちに。これだけ調子が悪ければ伊豆スカなんて果てしなく長く感じていいはずなのに…。それで調子づいたのか、その後やっとライディングの感覚が戻る。10時に近くなっているから混んでくるかと思いきやクルマもほとんどなく、快調に天城高原を目指す。
今日のテーマは「二速でゴー!」だ。常用域でのCBR600RRのエンブレは、低回転で進入しトルク任せに立ち上がるリッターに慣れていた身にはあまりにも強烈。それで姿勢を崩すのを恐れ三速5000回転程度でコーナーに進入していたのが3週間前の箱根ツーリングだが、それでは全く立ち上がりの時に加速しない!そこで意識して二速を維持し、アクセス全閉で間髪を入れずにブレーキングする練習を繰り返す。
練習の甲斐あって、帰途につく頃には三速では逆に曲がれなくなっていた。なんとか慣れたらしい。そのかわりずっと二速に入れっぱなしなので、ストレートでのスピードがとんでもないことになっている。メリハリも次の課題だろう。
また今回はもう一つ掴めたことがあった。某ネモケン氏やRC誌のライテク本の言う「向き変え」という言葉に今一つ馴染めずにいたのだが、「向きを変える必要って何だ?ただ曲がってるだけとどう違うのか?」と自問しながら走っていたら、突然コーナーの全体像が見えてきたではないか!この曲率でこの幅だから「向きを変える」としたらココだ!…というポイントを計算するためには、近くを見ていてはダメだ。進入の前に計画を立て、そのためのクリッピングポイントをはじき出す。今まで「遠くを見ろ」と言われてもともすると忘れがちだったのが、この「コーナーの全体像の中で自分のバイクの動きを計算する」という思考過程だと、自然にそうなっていく。これは大きな気づきだった。
とはいえ左コーナーでは調子に乗って奥に突っ込みすぎ、右コーナーではアウトへの恐怖感から早めに曲がり始めてしまうなど、まだまだ課題が残る。しかし、「コーナリングの組立て」が感覚的にわかってきたのは最大の収穫だった。
帰りも意地を張って下道で帰る。道志みち〜相模湖〜大垂水と経由するが、さすがにクタクタだった。ライディングに一歩前進があったから良いようなものの、次は絶対高速を使おうと心に決めるのであった。